presented by親の学校プロジェクト
これは多くの親が願うこと。
私自身もその昔、そう願いながら色々な事を試してきました。
「ほめる」ことがいいと聞けばとにかくほめる、「質問力」で考える力を伸ばす!と聞けばとにかく質問。
その結果は散々で…
質問の答えが気に入らずイライラ…自分がイライラしているから、ほめるところも見つからなくてイライラ…
不機嫌な子育てに逆戻り…
今考えれば、親の思ったとおりの答えを期待していたり、いつほめるのか、いつ質問するのかが分かっていなかったから上手くいかなかったんだと分かります。
今日は、子どものために良かれと思う対応が、実はそのままの子どもを受け入れるものではなく、子どもからの防衛的な態度を誘い、考える力を奪うこともある「お決まりの12の型」を事例でご紹介します。
親業の創始者トマス・ゴードン博士が、子どもが困っていたり不安、悩んでいたりする時、90%以上の親がしている、子どもの考える力を育てるのに効果のない対応を12に分類したもの。
例えば、テストの点が悪くて落ち込む子どもが
「テスト、全然ダメだった…もう最悪」
と元気なく言ったとき、あなたはどのように答えますか?
(1)命令
「じゃあ、次からはもっと勉強しなさい」
(2)脅迫
「ちゃんと勉強しないとろくな高校に行けないよ!」
(3)説教
「勉強してない人がテストでいい点取れるわけないじゃない」
(4)提案
「塾の日にち増やしてもいいんじゃない。」
(5)講義
「勉強って毎日の積み重ねだからね。短い時間でもいいからコツコツやる習慣が大切。勉強が出来る子ってみんなそうよ。」
(6)非難
「自分が勉強しないからでしょ!何言ってんの!」
(7)同意・賞賛
「結果は出なかったけど、今回は勉強頑張ってたと思うわよ」
(8)侮辱
「日頃の行いが結果になったんじゃないのかな!」
(9)分析
「朝ごはん食べていかなかったから頭が働かなかったんだよ」
(10)同情
「残念だったね、でも次はきっといい点取れるよ!頑張ろう!」
(11)尋問・質問
「答えは全部書いたの?テストはいつ戻ってくるの?」
(12)ごまかし
「とりあえず、おやつがあるから食べようか」
日ごろの対応に当てはまるものがありましたか?
「言ってる!!」と思った人も多いかもしれません。
もちろん、多くの親は、子どもを否定しよう!傷つけてやろう!と思って「お決まりの12の型」を使っているわけではないんです。
でも…子どもが困ったな…嫌だな…と感じている時に使うと、親の言葉に黙ってしまったり、反抗的になったりと、子どもの心は一変に閉じてしまいます。
多くの親がやってしまう「お決まりの12の型」
では、なぜ子どもは心を閉ざしてしまうのでしょう。
親が子供の話を聞いているつもりで伝える「お決まりの12の型」。
実は、すべて親の意見なんです!
さらに、発せられた「ことば」と同時に次のようなメッセージを子どもは受取ります。
「私のこの気持は大したことないと思ってるんだ」
「私を我慢できない子だと思ってるんだ」
「問題は私だと思ってるんだ」
「私の言う事を真剣に考えてはくれないんだ」
「私がどんな気持でいるか気にしてないんだ」
親にしてみると、そんなつもりで言っていないと言いたい所ですが、残念ながら「お決まりの12の型」では、親が聞いて欲しいメッセージより上記のメッセージが伝わってしまうのです。
・話しがそれ上続けられなくなる
・防衛的で反抗的な気持になる
・自分はだめだ、劣っていると感じる
・自分を変えなければいけないと圧力を感じる
・自分で解決できないと思われてると思う
・自分は信用されていないと感じる
・自分の感情には当然の理由がないと感じさせられる
・焦燥感を持たされる、イライラする
・反対尋問を受けるために、証人台に立たされているように感じる
・反撃したくなる
参考書「親業」トマス・ゴードン著
親の良かれと思ってかけた言葉がけが、子供のやる気を削ぎ、自尊心を下げてしまうというのは寂しいものがあります。
言葉というのは言ったほうより言われたほうのが心に残るものです。
何気なく言ったあなたの言葉で子どもが黙ったり不機嫌になる事があるとすれば…
それは「お決まりの12の型」かもしれません。
そんな子どもの様子に気付いたときは、先ずは親の意見を言わな いことを心がけてみませんか。
もし、今まで子供に「お決まりの12の型」の言葉がけばかりしていたのであれば、親の変化に子どもはすぐに気がつくはずです。
そしてここから、親子の新しい関係が始まるのかもしれません。