子育てコラム

優しい人が愚痴を言えない理由!親も安心して愚痴ってほしい-正しい愚痴の吐き方まとめ

子育ての愚痴を吐けていますか?

「愚痴」と聞くと
「良くないもの」「言ってはいけないもの」「人を不快にさせるもの」
ネガティブに感じる人は多いでしょう。
実際、愚痴っぽい人と話しているとこちらまで嫌な気持ちになって疲れちゃうことってありますもんね。

でも、不満やモヤモヤがあるのに、愚痴も言わず感情を押し殺してばかりいると…

〇気分の落ち込み
〇集中力の低下
〇頭痛
〇不眠 など

心身のバランスを崩してしまうこともあるので要注意!

 

むしろ、適度に愚痴を吐いたほうが心も体も健康でいられることの方が多いんです。
とはいえ「やっぱり愚痴を言うのは…」と溜め込んでいる人は多いもの。

特に、
相手の気持ちを考えられる優しい人、良い人ほど愚痴を言わない人は多い

実は、このコラムを書こうと思ったキカッケもまさにそれ。

私自身、これまで講座や子育て相談などを通じてたくさんの親御さんのお話しをお聞きしてきました。
その中でも、人のことを悪く言わない優しい人ほど、限界がくるまで一人モヤモヤを抱え込んで苦しんでいます。

でも…
それって優しい人、良い人が損をしてない?
って思うんです。
愚痴を言うことは決して悪いことではないのにね。

▶今回のコラムでは、優しい人が安心して愚痴れるように、「愚痴」と「悪口」の違いや、正しい愚痴り方などについて考察してみました。

愚痴を吐くのが苦手で溜め込んじゃう!という人は参考にしてみてください。

 

優しい人、良い人ほど愚痴を言わない理由

では、そもそも優し人や良い人っていうのはどんな人なのかというと

〇相手の気持ちを考えられる
〇相手の話をしっかり聞ける
〇相手の幸せを喜ぶことができる
〇気分や相手によって態度を変えない
〇見返りをもとめない

こんな特徴があると言われています。
むしろ嫌な顔せず他人の愚痴を聞いてくれる素敵な人ですよね。

でも、その共感力の高さ、見返りを求めない利他的な精神ゆえに…

 

たとえ愚痴ってみても…

ネガティブな感情を相手に聞かせることへの申し訳なさ。
「愚痴っている自分」と「あるべきの自分(優しい良い人)」のギャップに居心地の悪さを感じ、ストレスを軽減するどころか…
愚痴る前よりモヤモヤが増したり、愚痴ったことを後悔する人も多いんです。

 

内外一致と内外不一致

人は「内外一致」
(内側=感じている事)と(外面=言葉や態度)が同じ
でいることで、自分の行動に自信が持てて精神的に安定していくものです。

反対に内外不一致
(内側=感じている事)と(外面=言葉や態度)が違う状態だと
自己矛盾や罪悪感から自分の行動に自信が持てずメンタルが病みやすくなります。

♥優しい人、良い人は不平不満を言う自分に自己矛盾と罪悪感を感じながら、相手に気を使って話すので、愚痴れば愚痴るほど内外不一致でモヤモヤしてくるのです。

こんな気持ちになるのなら、愚痴なんか言わない!と頑張ってしまうのも無理はありません。

 

あなたの周りにもいる?
愚痴が言えない優しい人

でも、例え愚痴を言わなかったとしても…

心のモヤモヤが溜まっていけば、日常の中での現実(内心は不平不満を抱えている嫌な奴)と理想(愚痴を言わない優しい人)のギャップも大きくなって心身ともに不安定になります。
そしてこれが、うつ病などのメンタルヘルスの不調を引き起こす原因にもなるのです。

あなたの周りに、こう感じさせる人はいませんか?

〇最近、あの人の顔つきが険しくなったかも…
〇余裕がないのかな?

もしかするとそれは、愚痴が言えない優しくて良い人かもしれません。

 

愚痴と悪口の違い

ではなぜ、愚痴ることが自己矛盾や罪悪感を感じさせてしまうのかというと…

優しい人、良い人にとって
「愚痴」は「悪口」と同じなんです。

もちろん、「悪口」は良くありません。
でも、「愚痴」と「悪口」は違います。

「愚痴=悪口」という思い込みを外し、「愚痴」は吐いてもいいんだというマインドセットにすることが、安心して愚痴るための一歩です。

それでは、「愚痴」と「悪口」の違いはというと

愚痴(愚痴る)とは

意味:(今となっては)言ってもしかたがない事を、言っては嘆くこと

Weblio日本語例文用例辞書

目的:話を聞いてもらい共感を得ること、不満やストレスを解消する

悪口とは

意味:他人のことを悪くいうこと、貶すこと、悪態をつくこと

ウィキペディア(Wikipedia)

目的:相手の名誉などを傷つける、ダメージを与える

もう少し具体的に分かりやすくしてみるとこんな感じ。

愚痴自分の苦労を他人に聞いてもらうこと

悪口相手の性格、容姿、能力などを否定的に評価し、侮辱したり、嘲笑したりすること。

こうしてみると、愚痴と悪口はかなり違いますよね。
まずは、この違いを意識して話すだけでも、悪口にならず愚痴を伝えられるはずです。

人は何か問題が起こったり壁にぶちあたった時、たとえその問題が具体的に解決されなくても、自分を理解していくれる人がいるだけで、前向きになれるものですからね。

 

正しい愚痴の吐き方

とはいえ、誰かれかまわずただ愚痴ればいいものではありません。
誰にどんな風に、どんな心構えで話すかで伝わり方も伝えたあなたの気持ちも大きく変わってきます。

以下、より安心して愚痴を吐くために知っておくといいことをまとめました。

1. 愚痴を言う相手を選ぶ
2. 内容(事実と感情)を整理して話す
3. 「愚痴を聞いてほしい」旨を相手に伝える

 

1. 愚痴を言う相手を選ぶ

話す相手は、信頼している人、価値観が似ている人、親身になるになって聞いてくれる人を選ぶことが大切。

当たり前ですが噂好き、悪口が好きな相手はさけましょう。

その他、否定が多かったり、解決策を押し付けてくるような相手もNG、
こちらは愚痴のつもりでも、気づけば悪口になって「話すんじゃなかった」とあとから後悔することになりかねません。

また、出来れば愚痴る内容に近すぎない相手がいいでしょう。
(職場の問題であれば別の部署や職場に関係ない人、子どもの習い事であれば習い事以外のママ友に話を聞いてもらうなど)
とにかく、あなたが安心して話せる相手を選んでください。

 

2. 内容(事実と感情)を整理して話す

話す内容がまとまらないまま話すと上手く伝わらないこともあるので、話す前に心のモヤモヤを整理しておくといいでしょう。

そんな時に活用したいのが「わたしメッセージ」

わたしメッセ―とは

相手を非難しないで自分の思いを伝えるひとつの表現方法。

わたしメッセージは以下の3つの要素で出来ています。
行動…嫌だと思っている行動(状況)
影響…その行動(状況)による自分への影響(満たされない欲求)
感情…その影響による感情

事前にアイメッセージを作っておくことで、伝えるさい「事実」と「感情」「満たされない欲求」が整理されて客観的に状況を説明するのに役立ちます。

 

3. 相手に「愚痴を聞いてほしい」旨を伝える

いきなり愚痴り始めるのではなく、「ちょっと聞いてほしいんだけど」「愚痴ってもいいかな?」など、事前に相手に「愚痴を聞いてほしい」旨を伝えておくと、相手も聞くモードに入りやすいでしょう。

また、聞いてもらった後は「聞いてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えることも忘れずにいたいですね。


以上、より安心して愚痴を吐くために知っておくといいことをご紹介しましたが、優しい人、良い人は、「愚痴」を聞かされるのも嫌だろうと、相手を気遣って言わないことも多いです。

でも、信頼している相手がたまに話してくる愚痴は、むしろ信頼してくれている証と嬉しく思う人も少なくないですよ。

ぜひ、正しい愚痴の吐き方を参考にして、たまには愚痴を吐いてみてくださいね。

 

また、なかなか近くに話せる人がいないときは、匿名のSNSなどを使って愚痴ってみるのもいいでしょう。
しかしそのさいも、感情的になりすぎず、客観的に「事実」と「感情」を整理して書くことを忘れないでくださいね。

 

 

オンラインでの子育て相談承ります

親の学校プロジェクトでは、オンラインでの子育て相談(初回は無料(40分))を行っています。

「近くに信頼して話せる人がいない」
「親子関係に悩んでいる」

そんなあなたは、ぜひオンライン子育て相談を活用して心のモヤモヤを整理してみてください。

▶オンライン子育て相談をご希望の方は、こちらのフォームよりご連絡ください。

親業講座についてのご相談も承っています。
気になる方はお気軽にご連絡ださい♡

  • この記事を書いた人

生駒 章子

親の学校プロジェクトの代表。元ガミガミママで今は親教育の専門家。
自身の原体験から、子育て支援ではなく「親支援」にこだわって活動中。趣味は読書(マンガ)

お問合せはこちらから

-子育てコラム