2月25日(土)に埼玉県立伊奈学園中学校で今年度最後の講演会でした。
実は珍しい、中学校主催の保護者向けの講演会
講演では、思春期の子どもに信頼される親になるために、親業から「子どもの話の聞き方」と、子どもを理解する観点から「脳科学の視点から見た子どもの発達」をお伝えしました。
学校発!思春期の親に有益な情報を
今回の講演を担当してくれた先生のお話によると、こうして保護者向けに企画するようになったのは昨年からだそうです。
公立の学校だと、PTA主催でこうした取り組み(家庭教育学級)を行う学校は多いですが、先生が中心になって保護者向けに勉強会的な講演会を企画するところは珍しいかも。
また、PTA主催だと、「人を集めなきゃ―」ということで、各委員会などに動員をかけるなんていう話もよく聞きますが、ここでは完全希望者のみ。
希望者のみでこれだけの皆さまが集まること、また、パパさんの比率が多いことからも、保護者自身も親子関係の大切さを感じている方が多いことが分かります。
まさに、親子関係が良好なことと勉強のやる気には相関性がありますからね。
中学受験を乗り越えたからこそよりそう感じる方が多いのかもしれません。
高学歴の親ほど「勉強しなさい!」は言わない?
余談ですが、東大生へのあるアンケートによると
■子どものころに大人に「勉強しなさい」と言われた記憶があるか?
という質問に対し
「全く言われなかった」57%。
■学校の宿題に関しても「自主的に取り組んでいた」か?
の問いに対して約8割が「取り組んでいた」と答えています。
また、親に対して感謝していること・してもらって嬉しかったこととして
「自主性を尊重し応援してくれた」
「話をよく聞いてくれた」
という回答が多くよせられていたとのことです。
現役東大生302名にアンケート!「東大生は幼少期どのような生活を送っていたのか」実態調査
もちろん、東大に入学するようなお子さんは元々IQが高い人が多いです。
環境に左右されず目標に向かいやるべくことをやる力が普通の人に比べて高い傾向はあるでしょう。
でも、それを差し引いても、頭ごなしに上から言われるよりも、「話を聞いてもらえる」「尊重されたと感じられる」そんな家庭のほうが子どもの考える力が伸びるというのが分かります。
中学生の親を襲うイライラモヤモヤ寂しさ
子どもの話を聞くこと、一人の人間として尊重すること。
この大切さは、思春期の親の多くが共感するところだと思うのですが…
中学入学以降、
「これまでと同じように接しているのに反抗ばかり」
「ちっとも勉強しない」
そんな子どもの変化に戸惑う日々…
口答えはまだ良い方で、機嫌次第で甘えてきたり親の言うことを無視したり…
「親の方がついていけない…」
「どう接すればいいのか分からない」
などイライラモヤモヤして親子関係で悩むことも少なくないのではないでしょうか。
特に、中学受験をしてきた親にとって、この子どもの変化はとってはショックです!
だって、ここにまで親子でタッグを組んで頑張ってきたわけです。
それなのに急に、自立なのか反抗なのかをされても…イライラするしもやもやするし、なんだか妙に寂しかったりもします。
もちろん、こんな気持ちは中学受験をした親に限らず、思春期に入った子を持つ多くの親が抱える悩みではないでしょうか。
子どもの接し方の違いで夫婦関係がぎくしゃく…
講演後は何人かの方とお話しすることができました。
「これまで色々な機関に相談したけど話を聞いてくれるだけで何も変わらなかった…、子供への対応の認識の違いから夫婦仲もこじれてきた…そんな中、藁をもすがる気持ちで申し込んだ。
話が聞けて本当に良かった」
こんな声もいただきましたよ。
これまでの講演でも、「色々相談したけど具体的な方法に出会えなかった」「夫婦う関係が悪くなってきた」とおっしゃる方は多いです。
夫婦関係については、
とばかりに子どもに厳しく接していく。
結果、寄り添う方の親が、子供ともう片方の親との板挟みで精神的に追い込まれ病んでいく…
この場合、どちらも「自分の意見は正しい!」と思っています。
話し合いをしても双方が自分の正当性を示す「お決まりの12の型」の応酬ですから、なかなか夫婦の溝が埋まらない…
夫婦間、親子間で問題とされることの多くは、唯一無二の正解がないことがほとんどです。
そもそも夫婦であろうと価値観は違いますから、相手の価値観を説得して変えさせようなんて、関係が悪くなるのは当たり前ですよね…
では、夫婦の価値観の違いに対してどうしたらいいのでしょうか…
夫婦の価値観の違いをどうするか
いやいや、それが難しいのよ~と思う人もいると思いますが、
この姿勢を夫婦のどちらかが示した時に、事態が変わることが多いんです。
むしろ、どちらかが歩み寄らないと、事態がよくなることはないですからね。
「価値観なんて違って当たり前!」
相手が自分の価値観に合わせてくれなきゃ拒否!みたいな0か100ではなく、
「同じ意見じゃなくても相手を尊重し、協力することが出来る」
ということを、親は、子どもに背中で見せてあげられるといいですよね。
思春期の子どもの接し方が学べる親業
今回の講演でご紹介した「親業訓練」は、アメリカの臨床心理学者トマス・ゴードン博士が創始した、1対1のコミュニケーションの理論とスキルを体系的に学べるメソッドです。
元々は、すでに親子関係が上手くいかない思春期青年期の親向けに創始されたプログラムですから、思春期の子どもに「どうやって接したらいいの?」の具体的なコミュニケーションの方法が分かるのはもちろん、夫婦関係の改善にも大いに力を発揮します。
今回の講演では、「話の聞き方」と「思いの伝え方」のエッセンスのみをご紹介しましたが、こちらの書籍(「親業」トマス・ゴードン著 大和書房) では、それ以外に気持ちの整理の仕方や問題解決法、環境改善などを含めたメソッドの全てを収録しています。
「子どもの考える力を伸ばす親子関係の作り方」
親業が気になった方にはぜひ読んでみてください。
より実践に活かしたいなら講座がおススメ!
そして、この書籍の元になるのが親業訓練講座です。
実際の講座では
全24時間のカリキュラムを8回~12回に分けて学ぶので、実践する中での疑問点もすぐに聞いて修正できる!
本気で親子関係を改善したい方には超おススメ!
受講の方法は対面orオンラインが選べます。
親の学校プロジェクトでは毎月親業講座を開講しているので、ぜひこちらで日程を確認してみてください。
講座日程をチェックする
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親業訓練 一般講座のご案内 <リアル対面・オンラインzoom>親向けプログラム
対面またはオンラインで提供中。アメリカの臨床心理学者トマス・ゴードン博士が創始したParent Effectiveness Trainingの日本語版"親業訓練一般講座"の最新日程をご紹介。子供とのコミュニケーションの具体的なやり方が身に付きます。
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実際に練習出来るのは神です。
書籍を読んで「この方法を身につけたい!」と思った人はもちろん、本を読むのが苦手~という人は講座から入る方がいいかもですね^^
以上、県立伊奈学園の講演の報告でした。
親の学校プロジェクトでは、来年度も親子関係、夫婦関係に悩む多くの人に「こんなやり方があるよー」をお伝えしていきます👍(ご依頼受付中✨)
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