人育て 脳科学

脳の発達のしくみ-0歳からの子育て脳科学-

2022年3月13日

子育てが上手くいかないときに知りたい
脳科学まとめ


脳科学を知ることで子育て(人育て)は楽になる

子育てが上手くいかないときに知りたい

脳科学まとめ

うちの子大丈夫かしら…心配で必要以上に怒ってしまうことはありませんか?

実はその心配、脳科学を知ることで楽になります。

ここでは、子育てを楽にする脳科学のまとめとして「脳の発達のしくみ」をお届けします。

0歳から成長する脳の発達のしくみ

赤ちゃんは日々成長し、毎日違った表情を私たちに見せてくれます。

眠ってばかりいた我が子が、いつの間にか、這って、立って、歩きはじめる。

泣くことでしか意思を表現できなったのが言葉で意思を伝えはじめる。

実は、こうした行動はすべて脳によってコントロールされています。 

0歳が人生のピーク?

その脳の複雑な働きは、情報の伝達と処理を担う細胞=神経細胞(ニューロン)から構成されています。

 この脳の神経細胞のもとは、受精後16日目には出来上がるといわれ、誕生の時には、成人の約1.5倍の神経細胞を持って生まれてきます。

神経細胞は認知のために使われるものなので、赤ちゃんの感じる力は大人には想像もつかない高さです。

誕生後、この神経細胞は、生後6カ月から12カ月にかけて急激に増加し、その後成長とともに減少していきます。

また、神経細胞に付随し、ネットワーク(情報伝達回路)を構成するのに必要な「シナプス」の数も、7,8か月をピークに増加し、その後はゆるやかに減少していきます。

ここで起こっているのは、細胞の「間引き」です。

脳は、不要な細胞は間引き、必要な細胞だけを残していくよう作られているんです。

そして、この間引きが行われる一方で、

子どもの脳の中では、行動をコントロールするために必要なネットワーク(情報伝達回路)が作られていきます。

乳幼児が不器用なわけ

 0歳~3歳ごろにかけての脳のネットワーク(情報伝達回路)は、神経細胞どうしの繋がりが過剰になています。

例えば、指を一本だけを動かすという情報(指令)を指に送ったとしても、神経細胞どうしが過密に繋がっているため、不必要な情報が邪魔をして他の指も同時に動くということがおこるのです。

そのため、細胞の間引きを行いながら、7歳ごろをピークに、ネットワーク(情報伝達回路)の再編成を繰り返します。

10歳ごろには、ほぼ大人の脳と同じになると言われています。

子どもは大人のようには出来ない

しかしここで注意したいのは

10歳で大人のような脳は出来上がっても、大人のような理解力や判断力はまだ持ち合わせていないということです。

 喜怒哀楽などの心の動きを司る大脳辺縁系は3歳くらいで作り上げられます。

でも、状況判断や記憶を使い、論理的に思考をした上で、自分が取るべき最良の行動を選べるのは10歳を過ぎたころからといわれており、このような高度な機能をつかさどる大脳皮質は20歳をすぎてもなお成熟していきます。

また、ピークが過ぎたとはいえ、脳の成熟に伴う間引きやネットワーク(情報伝達回路)の再編成も引き続き行われていきます。

出来ないことを求めていませんか?

時に親は、子どもを小さな大人のように感じ、すぐに結果を求めがちです。

期待した結果が返ってこないと落胆し心配し、怒りさえ感じます。

でも、子どもの脳は、親が思う以上に進化の過程にあり、また、可能性にみちています。

その可能性を最大限に引き出すためにも、年齢に応じた脳の発達を知ることは大切です。

それを無視した早期教育親の押しつけは、結果的に子どもの脳のつながりおも断つことになりなりかねません。

「あなたの子どもへの要求は、脳の発達から見て適切でしょうか?」
このことをふまえ接するだけで、子どもへの無用な心配の数を減らすことができますよ。

-参照-
■脳科学メディア 
■大阪大学大学院生命機能研究科 
■松本勝信研究室
■青少年教育と体験活動/3 脳と体験 17 黒川 伊保子(株式会社 感性リサーチ 代表取締役) 
■幼児期から児童期に基本的な生活習慣や規範意識を身につけることの重要性について-脳の発達と心のメカニズムの見地から-

次からは、脳の機能から見た人の成長を年代別にお伝えしていきます。

  • この記事を書いた人

生駒 章子

親の学校プロジェクトの代表。元ガミガミママで今は親教育の専門家。
自身の原体験から、子育て支援ではなく「親支援」にこだわって活動中。趣味は読書(マンガ)

ファミリーワークス合同会社の代表。
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